貨幣観を正すことで得られるメリット3選

間違った「商品貨幣論」から正しい「信用貨幣論」に転換することで得られるメリットをまとめてみました。

自己責任論からの解放

自己責任論とは、例えば「あなたが貧乏なのは、あなたの努力が足りないからだ」という、いわゆる世間一般の”成功者”が持ちがちな論調や考え方を指します。
これが当てはまるケースは当然あるかとは思います。5体満足の健康体NEETが年収0円で親のすねかじりを続けているからといって、本人が叱咤されるのはある程度仕方が無いでしょう。
しかし、今の日本において、実質賃金が下がり貧困率が上昇しているのはほとんど20年以上に渡る政府の失政のせいであると、信用貨幣論がわかっているあなたは理解しているはずです。

自己責任論の最もよくないところは、(経済音痴であるにも関わらずにそれを自覚せず、)”成功者”の「俺は税金をたくさん払っている。税金を大して払っていない貧乏人は努力が足りないのだから、弱者救済につながる社会保障はけしからん」という主張につながるところです。
そのような時代遅れの”成功者”は、主流派経済学に則り税金が財源だと考えているため、自分が払った税金が社会保障の財源として賄われていると思い込んでいるのです。
自国通貨建ての国債を発行できる日本において、税金は財源とは関係がありません。
加えて、貧乏人が増えることで自分が将来不利益を被りうるを理解していません。
例えば・・・
 自己責任論は分断を生みます。お互いを憎しみあえば、無駄な小競り合いで生産性が低下したり、治安が悪化します。
 治安が悪化すると、我々大人はもちろんのこと、大切な我が子が犯罪に巻き込まれる確率が上がります。
 貧乏人が増えれば、自分の商品にお金を払ってくれる(というか払える)人が減り、売り上げが下がります。成功者の全体数は減っていき、あなたも将来貧乏人になる可能性が上がります。

しかも”成功者”は「日本はダメだから英語を勉強して海外逃亡してください。」などと言い出す始末。(英語を勉強するのはよいことですが)
自己責任論を振りかざす、弱者に厳しく貨幣観の間違った”成功者”よりも、貨幣観を正した弱者に優しい成功者の方が格好良くないですか?
正しい貨幣観に従って適切な財政政策を行い経済成長した結果、周りに小金持ちが増えれば成功者のビジネスは売り上げが上がる可能性が高まり、皆がWin-winです。

自虐史観からの解放

私は平成初期生まれですが、おそらく私の同年代の日本人の中には「SNSなどで日本を褒める主張をしにくい」と感じる人が少なくないと思います。それどころか、どちらかと言うと蔑むような意見がもてはやされがちな印象が私にはあります。
これには戦後の「日本はひどいことをした」という”反省”が根本にあるのでしょうが、さらに長期にわたる不況により「少子高齢化で日本は終わりだ。」とか「古臭い習慣が残っているからダメなんだ。」とか「脱成長。心の豊かさだ。」とか「日本はもう成長しない、海外逃亡だ。」とか。
自虐史観を礎とした考え方は経済成長中はそこまで悪影響が無かったが、不況が続いた結果、その不況の原因を(理解できない商品貨幣論者がテキトーに)説明するために悪用されている節があるのではないかと思います。
信用貨幣論がわかっているあなたは、不況の原因が20年以上に渡る政府の失政のせいであると理解していますから、「ハンコ文化がー」とか「国民の投資マインドがー」とか鼻で笑うことでしょう。
日本は統一国家として世界で最も古い歴史を持つ伝統のある国ですが、残念ながらそれを知っている国民は多くありません。
戦後の日本の歴史教育が自虐史観よりに傾いているためです。
本来、自国の歴史は誇りに思って然るべきです。嫌いな国に暮らすよりも好きな国に暮らす方が幸せなはずですし、分断を生みにくいです。日本には嫌な面もあるでしょうが、それ以上に好きになる要素にも溢れています。
信用貨幣論を理解することで、日本を嫌に思う原因となっているいくつかの間違った足枷を外すことができます。

陰謀論からの解放

私が思う陰謀論の具体的な主張の例をいくつか以下に挙げます。
 ①特別会計には闇がある
 ②国際金融資本に日本は操られている
 ③中央銀行制度は悪である


まず①は間違いですよね、財務省のHPで内訳が公開されてますし。

②について、日本の衰退の原因が海外圧力がどうこうよりも、デフレ下での緊縮財政という失政に他ならないことを、信用貨幣論がわかったあなたは理解しているはずです。
ちなみに2023年現在、「今はデフレではなくインフレじゃないか」と主張する人もいるかもしれませんが、今はロシア・ウクライナ情勢の影響や原材料費の高騰などによるコストプッシュインフレであり、本来意味するところのデマンドプル型インフレではありません。とるべき政策は今もデフレギャップ(需要不足)を埋めるためのデフレ対策です。日本を操っているのは商品貨幣論です。

③の論拠はおそらく「株式の一部を民間が保持しており、その民間(おそらく国際金融資本)が意思決定に関わっている」とか「株主である国際金融資本家が通貨発行益で設けている」とかですよね。
確かに日銀の出資証券はジャスダック市場に上場されていますが、株式会社のように総会もなければ議決権もありませんので意思決定に口出しすることはできません。また、通貨発行益を得るのは日銀です。配当は雀の涙ほどあるようですが、雀の涙ですので、雀の涙ほどしか設けられません(”通貨発行益”でググってみてください)。
逆に、日本の中央銀行である日本銀行がデフレ下で金融緩和を続けたおかけで平成不況が今以上悪いものにならなかった、ということも言えます。
政府は「デフレ下の緊縮財政」と言う間違いから抜け出せていませんが、日本銀行は「金融緩和」という正解を選んでいます。日本にとって、通貨発行権を中央銀行が持っていることはよいことでした。

こういった主張の多くは商品貨幣論的な考え方から来ているものであり、いずれも自称保守が陥りがちな論調です。
人をすぐに陰謀論者呼ばわりするチンパンジーもチンパンジーですが、陰謀論者呼ばわりされることに何もメリットはありませんし不要な議論なのでやめておくのが無難です。

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今まで経済について興味のなかった人にこそ、信用貨幣論は抵抗が少なく受け入れられます。過去に発した、商品貨幣論に基づいた間違った主張がないからです。今こそTVや経済音痴なインフルエンサーの間違いに気づき、自分たちはもちろん、我々の子孫のためになる選択をともに積み重ねましょう。

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