スタッカートと休符どっちを使うか

スタッカートと聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?
歯切れのいいディスコ風ベースフレーズでしょうか?はたまた、ヤマノススメのオープニングテーマ『スタッカート・デイズ』でしょうか?

私はというと、譜面を作るときにスタッカート関連で迷うことがあったので、今回情報を整理してみました。
迷いというのは、スタッカートにするか、休符にするか、です。

スタッカートの意味

ヤマハの音楽用語辞典 (*1) によると、「音符を本来の長さより短く演奏することを指示する用語。音符の上又は下に(・)をつけて示す。又はstacc,の略号が使われる。」とのことです。
大体みなさんのイメージ通りの定義であるかと思いますが、曖昧な指示であることも読み取れます。「本来の長さより短く」あればよいのですから。
ポイントは音価 (= 音符の長さ) は具体的に指定されない、という点です。

*1 ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス「音楽用語ダス」
https://www.ymm.co.jp/word/mw.php, (参照 2021-04-16)

音価を指定するスタッカート

スタッカートでは音価は具体的に指定されない、と言いました。
が、実際には「1/2くらいの長さ」という説明が多いです。
もっと言うと、下表のように音価によってスタッカートの種類が分かれています。

スタッカートの種類音価
メゾスタッカート4/3 程度
(普通の)スタッカート1/2 程度
スタッカティッシモ4/1 程度

従って、具体的な音価の指定はないが、大体1/2くらいの長さが期待されている、と思ってよさそうです。
もっとも、解釈は楽器・ジャンル・人によりけりで、”きっちり1/2”が想定されるケース、”大体1/2”が想定されるケースなど色々あるようです。

Guitar Proで”スタッカート”と”実音&休符”の比較

私が使用しているTAB譜編集ソフトGuitart Proでは、実際スタッカートと、実音&休符とで音価が異なります。
下記のように同じフレーズで2通りの譜面を再生してみましょう。

①8分音符のスタッカート

②16分音符の実音+休符

①の方が音価が少し長いです。
有名なソフトですから、納得感のある音価を選んでいると思われます。(私は納得感あります)
それ自体は重要ではなく、スタッカートで書くと”きっちり1/2”ではない音価で弾かれる可能性がある、ということ。

演奏者によっては上述よりも大きな違いが生じることも考えられます。
(↑作曲者、採譜者目線)

また、①の方がごちゃごちゃしていなくて見た目がスッキリしています
ただし、スタッカートの記号は小さいので見落としを招く可能性はあります。
(↑演奏者目線)

使い分け

ここまで考えた結果、下記で落ち着かせようと思います。
個人的な見解なので悪しからず。

スタッカートを使うとき
・音が短くさえなっていれば、音価はこだわらないとき
スタッカートを使った方が自然なとき
(↑のGuiart Proの例では①の方が個人的には好みです)
・譜面がごちゃごちゃして嫌なとき

実音&休符を使うとき
休符の音価を明示したいとき
・譜面の流れ上、休符を使った方が自然なとき
(例えば↓のように明らかに16ビートのフレーズなど)


今まで作った譜面では、使い分けが適当だったのですが、今後はこのように使い分けようかなと思います。
どちらも使える場合はスタッカートを使うケースが多そう。ただ、自分で弾くときによくスタッカートを見落とすんですよね…
そのうち考えが変わるかもしれません。

以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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